経営革新計画と経営力向上計画

経営革新計画は中小企業が新規事業や新分野への進出に取り組み、経営の相当程度の向上を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。経営計画書を作成し、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となります。一方、経営力向上計画は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など自社の経営力を向上するために実施する計画です。
どちらの計画も中小企業等経営強化法に基づいていますが、上記のとおり、その作る目的が異なります。経営革新計画は新規事業への取組みのための計画で、経営力向上計画は今取り組んでいる事業をより成長させるための計画になります。

経営革新計画経営力向上計画
概要新事業本業(新事業も含む)
認定/承認者都道府県知事(承認)主務大臣(認定)
申請書A4 20~30枚程度A4 2枚程度
特典金融や販路開拓での支援が中心税制面・金融面・法律面での幅広い支援

経営革新計画は1999年より開始された施策ですが、事業の新規性の証明や計画書のボリュームが多いことなどから申請のハードルが高く、申請件数が思ったより伸びなかったこともあり、2016年に開始された経営力向上計画は、A4 2枚程度の様式で計画策定ができ、さらには事業分野ごとに生産性向上の方法を示した指針を提供するなど、だいぶ簡易的になっています。
いずれにしても、時間をかけて経営計画を策定することで現状の課題や目標が明確になるなどの効果が期待でき、一度作っておくと事業の進捗管理をするのにとても役立つものになります。国や自治体の多くの補助金でもこれらの計画の承認/認定取得が加点項目となっていますので、ぜひ一度、経営計画の策定を検討されることをお勧めいたします。